ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタである第32番ハ短調、この曲にはまり気味です。昨年末に行った、オピッツのコンサートの影響でしょうか。。。
色々なピアニストのCDを聴き比べています。
アシュケナージ、ポリーニ、ポミエ、グード、グルダ、仲道郁代のCDを手に入れています。
「聴き比べ」といっても、所詮素人なので、感覚的・印象的な部分が強いのですが、リズム感、テンポ、早さ、強弱、揺らぎなどが、ピアニストごとに違っており、そこが聴いていて楽しいところです。
今のお気に入りは、グルダ(Amadeo)盤です。一音一音がはっきりと響いており、テンポ設定が今の私の状態ととても合っています。二楽章のアリエッタが最高潮になるところは、絶品です。Jazzの経験もあるグルダだからこそ、あのような高揚感のある演奏になるのでしょうか。
ただ、言えることは、「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第32番」は、紛れもなく名曲であり、上記のどの演奏家のCDを聴いても感動できる音楽だということ。
特に、二楽章を聴いて感じるのは、「人生」です。無から静かに人生が始まるようにこの音楽も始まります。次第に高揚していく旋律が華やかな青春時代を印象づけ、華やかさから落ち着きを取り戻し、次第に、次第に、すべてのことが過ぎ去り、何かを成し遂げた人の人生が静かに終わるように、この音楽は終わります。
アシュケナージ盤のライナーノーツを書いた、石井宏氏の文章を再掲します。
結びの楽章は、心の心奥から流れ出る歌である。そこには万感こもごも至る思いがある。失われた青春への思い、悔恨、神への帰依、否定、肯定…そしてまばゆいばかりのクライマックスのうちに、彼の最後のソナタは終わる。もうこれ以後に彼のソナタはあり得ないと思うほど、その幕切れは感動的である。
今夜も、聴こう。
グルダ(フリードリヒ)
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント (2000-01-22)
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アシュケナージ(ウラジミール)
ポリドール (1994-04-22)
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ポリーニ(マウリツィオ)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2001-10-24)
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ポミエ(ジャン=ベルナール)
ワーナーミュージック・ジャパン (2002-08-21)
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グード(リチャード)
ワーナーミュージック・ジャパン (2002-01-23)
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仲道郁代
BMG JAPAN (2007-10-24)
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