シューベルト弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
- 2008年 8月24日
ここのところ、秋めいています。私の家の周辺でも秋雨らしきものが、シトシト降り続いています。しかし、気温が低くなったのはいいけど、天気はもっとよくなって欲しいですなぁ。
秋めいた日に、シューベルトの室内楽を聴きました。
この曲は、シューベルト自身が健康の衰えを自覚した直後の、1824年に作曲されたとされており、シューベルトらしい美しい旋律があるけど、暗い絶望感にとらわれているような作品。しかし、それでいて激しさも兼ね備えている。
第一楽章から、アルバン・ベルク四重奏団の精緻なアンサンブルに思わず引き込まれる。始まりは、ベートーヴェンの交響曲を思わせるように激しい。。。それでいて、ところどころに甘い旋律があるのがシューベルトらしい。でも、その甘さは不安定さを秘めている。
第二楽章は、非常に美しい。しかし、美しすぎて不気味…これって、乙女の死を表しているのか?シューベルトの面目躍如って感じです。旋律に縛られて、何もできない。ただ聴くだけという感じ。
第三楽章は、一転、この私をどこにつれて行ってしまうのだろう?という情熱のある曲。でも、すぐに終わってしまう。
第四楽章は、第三楽章と同じく、緊張感がある激しい演奏。畳みかけるリズムと迫力、所々見せるシューベルトの歌。最後まで緊張感が抜けない曲でした。それでいで、もう1回始めから聴きたくなる。
今日もまた、シューベルトの世界に引きずり込まれました。
また、演奏のアルバン・ベルク四重奏団、相変わらず精緻な演奏を聴かせてくれ、素晴らしいQuartetです。今年の7月に解散してしまったようですが、非常に惜しいですね。
ちなみに、彼らのモーツァルトの室内楽のCDも、大変素晴らしい演奏です。
EMIミュージック・ジャパン (2003-07-24)
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