読書「アキレスとカメ」
- 2009年 4月24日
「アキレスとカメ」という本を読みました。
「アキレスとカメ」という言葉は、「
この本は、そのパラドックスの考え方や、考えるにあたっての数学的背景について書かれています。
今まで、このパラドックスを打破する手段として、無限等比級数が用いられてきました。しかしながら、ゼノンの原典を「キチン」と読むと調和級数をつかってもよいことになります。すると、このパラドックスは打破できません。
また、このパラドックスを数学的にキチンと打破するためには、数の概念を厳密化しなければなりません。
数の概念を厳密化するということは
1=0.99999999999999…..
をきちんと考えるということもその一つです。
ゼノンのパラドックスを題材に、このようなことが、優しい言葉で、図も豊富に書いてあります。
「あとがき」には、現在ビジネスマンの間ではやっている「論理的思考」とは、ギリシャ時代の「ソフィストの弁論術そのもの」といった揶揄的な意見も書かれていて、激しく同意。
ちなみに、著者は、数学科出身で、哲学者という、ちょっと変わった経歴の方です。
楽しめました。