カテゴリー : 社会保険労務

協会けんぽの保険料率大幅アップ

平成22年3月からの協会けんぽの保険料率が正式決定されました。

全国平均で現在の8.2%から9.34%への大幅な引上げです。

今までの8.2%は、従来の政府管掌健康保険を踏襲していたものですから、協会けんぽができてから支部被保険者を単位として決定した初の保険料率ではないでしょうか。
私の住む埼玉県は、9.30%ですね。

私の会社が入っている健康保険組合の保険料率は7%ですから、協会けんぽの保険料率は2%以上高い。
(平成22年2月までは、6.4%でした。)

ちなみに、介護保険料率の引上げも行われており、全国一律で平成22年3月分より1.19%から1.50%に引上げられます。
私の会社が入っている健康保険組合は、1%です。

徐々に、社会保険の格差が拡大している気がしますね。

こうなると、就職する場合に、給与だけではなく、どの健康保険組合に入っているかというのも重要な選択条件になる日が来るのかも知れません。

社会保障費ますます上昇

国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているかを示す国民負担率が、2010年度は39・0%に上昇する見通しだとか。

47Newsで以下の記事を発見しました。

財務省は10日、国民が所得から税と社会保険料をどれだけ支払っているかを示す国民負担率が、2010年度は39・0%に上昇する見通しだと発表した。失業給付のための雇用保険料や毎年の公的年金保険料の引き上げで社会保障負担が0・5ポイント上昇し、比較可能な1970年度以降で最高の17・5%となるのが響く。

国民負担率は、第2次補正予算までを含めた09年度に比べて0・2ポイント上昇する。

景気低迷で税収が伸びなかったため、税負担は0・3ポイント低下の21・5%と、79年度以来の低水準になる。

日本の国民負担率は米国より高いが、50%を上回る国もある欧州に比べて低い。ただ、将来の負担になる財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は52・3%に達する。

こういった関連、ちょっと調べてみました。

2009年度の予算ベースにおいて、国民所得に対する社会保障費給付費の割合は、26.84% (そのうち年金が約5割)です。

また、2007年度の国民医療費は、34兆1,360億円で、国民所得に対する割合は、9.11%。(この医療費は、妊娠等に要する費用、健康診断・予防接種に要する費用、身体障害のための義肢・義足の費用は含まれていない)

一方、2008年度における国民年金保険料の納付状況は、62.1%まで落ち込んでいます。

私自身、この不況の中、社会保障費の負担がずっしりと響いています。

いままでの政権が日本の未来を設計してこなかったツケは大きいなぁ。

日本年金機構が発足

今年の1月1日から、廃止された社会保険庁に代わって、日本年金機構がスタートしました。社会保険庁のとんでもない杜撰な管理にあきれ果てていたので、これを機会に国民のための組織になってほしいものです。

昨年、私自身、両親の年金記録を調べに、社会保険事務所に行きました。非常に混んでいたので、まさに一日がかりでした。両親とも、未納扱いになっている期間があり、無事記録を修正してもらいました。

なお、社会保険庁が廃止されたのに伴い、今まで社会保険庁長官が行う事務は、厚生労働大臣が行うものとされていますね。今まで以上に厚生労働大臣の権限が大きくなってきていますが、大丈夫かと若干不安があるのも事実です。

また、日本年金機構のホームページを見ると、以下のように書かれています。

日本年金機構では、機構法の基本理念に基づき、

  1. お客様の立場に立った親切・迅速・正確で効率的なサービスを提供します。
  2. お客様のご意見を業務運営に反映していくとともに、業務の成果などについて、分かりやす い情報公開の取組を進めます。
  3. 1,000人規模の民間会社経験者を採用するとともに、能力・実績本位の新たな人事方針 を確立し、組織風土を変えます。
  4. コンプライアンスの徹底、リスク管理の仕組みの構築など組織ガバナンスを確立します。

掛け声倒れに終わらないように、誠実に組織を運営していってほしいものです。

労災認定:アルバイトに「過労」

労働基準監督署は、非正規雇用労働者の過労労災認定をしました。

労災認定:アルバイトに「過労」 コンビニ残業160時間--42歳、統合失調症

月160時間を超える残業をしていた神奈川県在住の元コンビニエンスストアのアルバイト男性(42)が、過重労働が原因で統合失調症を発症したとして労働災害が認定されたことが分かった。長時間・過重労働などを原因とする過労死、過労自殺の労災認定は、増加傾向にあるが、アルバイトなど非正規雇用労働者の過労労災認定は珍しい。長時間労働が正社員だけではなく、非正規まで広がっていることを浮き彫りにした。

男性や労災申請を支援した神奈川労災職業病センターによると、男性は神奈川県内の「サークルKサンクス」で1998年からアルバイトしていた。次第に労働時間が長くなり、もうろうとして働いているところを家族が見つけ、07年11月に仕事を辞めさせた。

申告を受けた労基署は、05年の3月や10月などに月間160時間を超える残業をしている事実をレシートの記録などから確認、「恒常的な長時間労働があり、精神的負荷が強くかかった」ことを原因に統合失調症を発症したとして業務上の災害と認定した。認定は今年9月。

認定では、男性は05年12月以前に発症したとされ、発症から2年近く症状を抱えたまま働いていたことになる。

男性の労働時間を記録したメモによると、この間、月に350~529時間働いていた。ほとんど、店に寝泊まりして働く状態で、賃金は30万円の固定給与だったという。

男性は現在、リハビリを兼ねて働いている。同センターの川本浩之さんは「不安定な雇用の中で常軌を逸した働かされ方をしている。非正規にまで広がった長時間労働を改めていく必要がある」と話している。

長時間・過重労働を巡る労災に関しては、うつ病など精神障害の労災で、08年度は927件(うち自殺148件)の申請のうち、30~39歳が303件、20~29歳が224件と20~39歳で5割を超えている。08年度は労災認定件数が過去最多だった。

サークルKサンクス広報部は「労災の認定を受けたことは承知しているが、詳しい内容は把握しておらずコメントできない」と話している。

ちなみに、労災保険で扱う保険事故は、業務上または通勤による労働者の負傷、疾病、傷害、死亡等です。

このうち、業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害、死亡等で、本件の場合は、「疾病」に該当するのでしょう。

業務災害と認められるためには、業務遂行性(災害発生時に、事業主の支配下で労働している)を満たした上で、業務起因性(災害が業務に起因していること)が必要です。

なお、労災保険の適用を受ける労働者は、労基法上の労働者となっていることから、パートタイマーやアルバイトは勿論、不法就労の外国人等も含めて、労災保険の適用労働者となります(暫定任意適用事業で使用される労働者を除いてですが)。

ですので、今回の労働基準監督署の判断は、当然ながら法の範囲内ですね。

勤務の合間の「喫煙タイム」も労働時間と認める

大阪高裁の判決で、勤務の合間の禁煙タイムも労働時間として認められました。

勤務の合間の「喫煙タイム」も労働時間 大阪高裁判決 (asahi.com)

勤務の合間にたばこを吸う時間は「休憩時間」か「労働時間」か――。居酒屋チェーンの元店長が心臓病で倒れたのは過労による労災と認めた行政訴訟の判決で、大阪高裁は「喫煙時間は労働時間にあたる」との判断を示した。

原告は大手居酒屋チェーン元店長の男性(44)。大阪府枚方市の店舗に勤めていた01年3月、急性心筋梗塞(こうそく)で倒れ、約3週間入院した。労災認定されなかったため、男性側は退職後の07年、「発症前1カ月の時間外労働が100時間以上」などとする国の過労死認定基準を超えて働いたと主張し、国を相手に認定を求めて提訴。一審は、男性が1日20~40本のたばこを吸っていたとして、これらの時間を休憩時間とみて労働時間から差し引き、発症前1カ月の時間外労働は基準以下の78時間余りにとどまると判断した。

しかし、大阪高裁の渡辺安一裁判長は、8月25日の判決で、「店舗内で喫煙していたとしても、何かあればすぐ対応できる状態だったから、労働から完全に解放されているとはいえない」との原告側主張を容認。喫煙時間などを労働時間に算入した結果、1カ月の時間外労働は100時間を超すとして、男性の発病を労災と認めた。国は上告せず、判決は確定した。

男性の代理人の下川和男弁護士は「労働の実態に沿った判断であり、多くの労働者に勇気を与える意義深い判決だ」と評価。男性本人も「喫煙中も『いつ仕事が降ってくるか』という緊張感でいっぱいだった。主張が認められ、うれしい」と話した。

ちなみに、労働時間といえば、通常、以下の「実労働時間」と「手待ち時間」を合わせたものをいいます。

  • 実労働時間

現実に労働者が就労する時間。

  • 手待ち時間

使用者の命令指揮下にある場合は、外形上労働していなくても、これを手待ち時間といい、労働時間として取り扱う。

判決内容の詳細は知らないのですが、今回は、喫煙タイムを手待ち時間と同等と見なしたのでしょうか。

技能講習途中で修了証交付

フォークリフトの技能講習を終了していない者に修了証が交付されてしまったようです。

労働安全衛生法によると、技能講習は、「登録講習機関」が行い、「技能講習を終了したもの」に、技能講習修了証が交付されることになっています。この「登録講習機関」は民間企業が行っているので、法律より利潤の追求になってしまうということでしょうかねぇ…

izaの記事:

 岡山労働局は16日、労働安全衛生法などに違反し、実技試験をせずに運転技能講習修了証を交付したとして、日立建機教習センタ岡山教習所(倉敷市)に対し、フォークリフト運転技能講習の6カ月間業務停止を命令した。

労働局によると、岡山教習所は昨年7月にフォークリフトの講習を受けに来た男性2人に、法定技能講習のうち実技講習の一部を受けさせず、実技試験もしていないのに修了証を交付した。

2人は24時間の講習のうち4時間しか受けていなかったという。

昨年9月、教習所が労働局に「2人が勤務する会社から『後から受講するので先に修了証がほしい』と頼まれ交付したが受けに来ない」と相談して分かった。

厚生年金記録の改竄問題

自分の知らないうちに年金記録が改竄されているという問題…。

今まで一生懸命働いて納めてきた保険料が正しく記録されていないとは…。将来貰える年金額に直結する重大な問題です。

本問題の背景としては、記事には以下のことが記述されています。

  • 企業が負担する保険料を安くするために、企業側が不正に社員の平均標準報酬額を低くした
  • 社会保険庁が企業からの不正な申告をチェックする体制が整っていなかった
  • 社会保険事務所が納付率を上げるために、改竄に関与していた

特に、上記3番目の項目が事実ならば、社会保険の根幹を揺るがす問題で、社会保険事務所の存在自体が有害に思えてきてしまいます。

なお、厚生年金保健法第102条によると、「事業主が報酬等関係の届出について虚偽の届出をした場合」は、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。

izaの記事:

 自分の知らぬ間に厚生年金記録が改竄(かいざん)されていた-。こんな信じられないケースの存在が表面化した。労使で折半する保険料負担を軽くする目的で、会社側が年金受給額の算定基準となる社員の「標準報酬月額」を実際よりも低く届け出ていたのが原因だ。社会保険事務所のチェックに甘さがあっただけではなく、事務所側が改竄に関与していた疑いも出ており、新たに大きな問題となりそうだ。こうした事例が生まれた背景を探った。

■申し出通りに修正

都道府県ごとに置かれた年金記録確認第3者委員会に持ち込まれた相談のうち、昨年末までに832件について年金記録などの訂正が認められた。この中で、標準報酬月額の改竄については、昭和50年代以降の記録から10件見つかった。
年金受給額や保険料算定の基準となる標準報酬月額は、会社が社員に代わって社会保険事務所に届け出る。虚偽申告されたままでは、本来、受け取れるはずの額より目減りする。
今回の10件では、標準報酬月額が実際よりも少ない額で記録されていたケースが4件あり、他の6件は加入期間が短縮されていた。
いずれも、会社側がいったん社保事務所に届け出た標準報酬月額を、後になってから「誤りがあった」として金額修正を申し出る手口。社保事務所は給与明細などをチェックすることなく、会社側の申し出通りに金額修正に応じていた。

■照合は一部の会社のみ

虚偽申請がまかり通る背景には、社保事務所のチェック態勢の甘さがある。標準報酬月額が大きく変更された場合には、該当者がリストアップされ、会社に確認する仕組みになっている。ところが、標準報酬月額と会社の賃金台帳などの照合は、一部の会社に対してしか行われていないのが実情だ。
社会保険庁は「法律に基づき、会社は社員に標準報酬月額を毎年通知することを義務付けられている。本人が自分で標準報酬月額に誤りがないか確認できる」と説明するが、通知が徹底されているかどうかは疑わしい。

社会保険事務所の関与を疑わせるケースも見つかった。
平成7年2月から12年9月までの5年7カ月間分について、実際の標準報酬月額は「59万円」だったのに、会社が解散した12年12月に、会社側が勝手に「9万2000円」へと修正申告していた例があった。払い戻された差額分は会社の滞納保険料納付に充てられていた。明らかに不自然な金額修正の申し出であり、民主党は「滞納保険料を減らし、徴収率を上げる目的で、標準報酬月額を本来より下げるように社会保険事務所の方から指導していたのではないか」(中堅)と指摘している。
今回の10件は個人から第三者委への申し出で判明したものだが、不正が行われた会社の他の社員も同様の不利益を被っている可能性は高い。社保庁は改竄事例についてさらに調査を進めているが、全体像はつかめていないのが実情だ。

■「標準」確認手段なし

改竄されていた場合の救済は可能なのだろうか。実際の給与額を反映した標準報酬月額に基づいて保険料を天引きされていた実績があれば、その後に会社側が改竄したケースであっても、昨年末に成立した厚生年金特例法が適用され、不足分を取り戻せるという。
ただ、当初から実際より低い標準報酬月額が届けられ、低い保険料しか天引きされなかったケースは救済が困難だ。
また、今年10月までに全受給者・加入者に加入履歴を送付する「ねんきん特別便」にも、標準報酬月額は記載されていない。現時点では、社会保険事務所に直接問い合わせるか、社保庁ホームページの「年金個人情報提供サービス」を利用するぐらいしか、標準報酬月額の確認手段はないので注意が必要だ。

年金記録、見つかって損する人がいる

年金記録漏れ問題で、年金記録が見つかったせいで、受給額が減るケースがあるとのこと。

このような現象が発生するのは、以下のケースがあるようです。

  • 中高齢特例対象者
  • 加入期間が40年以上あって、年金が部分的に“頭打ち”になっている人

ちなみに、「中高齢特例対象者」とは、以下の生年月日に該当する者は、40歳(女子や坑内員、船員は35才)以後の厚生年金保険の被保険者期間がそれぞれ指定した期間以上であれば、受給資格期間を満たしたものとされるという制度です。

  • 昭和22年4月1日以前:15年
  • 昭和22年4月2日〜昭和23年4月1日:16年
  • 昭和23年4月2日〜昭和24年4月1日:17年
  • 昭和24年4月2日〜昭和25年4月1日:18年
  • 昭和25年4月2日〜昭和26年 4月1日:19年

厚生年金保険では、上記の者は、被保険者期間を20年(240月)と「みなす」わけです。この制度は、旧厚生年金法の特例措置が引き継がれたものとなっています。

多分、今後の調査でこのような人が更に増えていくのではないでしょうか。社会保険庁がこのような人をどのように取り扱うか、今後の注目です。

izaの記事:

年金記録漏れ問題で照合・訂正作業が続くなか、未納や未加入とされていた期間の年金記録が見つかった結果、年金の受給額が減るケースが出ていることが分かった。みなし特例として納付実績に見合った額よりも多く年金を受けている厚生年金加入者の一部は、記録の訂正による増額分よりも減額分が上回ってしまうことがあるためだ。年金制度の“逆転現象”が記録漏れ問題を機に露呈したかたち。社会保険庁は年金減になった人数は「把握していない」としている。今後、記録の統合作業が進めば、混乱が広がりそうだ。厚生年金の受給額は、加入期間の長さと、過去に納めた保険料の平均額に応じて決まる。漏れていた年金記録が見つかった場合、加入期間は延びる。ただし、納付額が低かった期間の記録などが足されると、受給額の計算基準となる平均標準報酬月額は下がる。
一般的には、期間延長による増額分が減額分を上回り、差し引きしても年金額は増えることが多いが、厚生年金加入者の一部では、年金額が減るケースが生じる。可能性があるのは、実際の加入期間よりも長く保険料を納めたとみなされて年金を受給している「中高齢特例」の対象者や、加入期間が40年以上あって、年金が部分的に“頭打ち”になっている人など。
たとえば中高齢特例で、15年の納付期間を20年とみなされている人で、納付額の低い時期の加入記録が5年分出てきたとすると、実質的に厚生年金の加入期間は変わらず、平均標準報酬月額の下がり方によっては、年金が減額されてしまう。
年金額が増えるか減るかはケース・バイ・ケースで、見つかった加入期間、記録の時期、当時の標準報酬月額などを計算してみないと分からないという。
社会保険庁によると、昨年9月までの約1年間に年金の記録を訂正した人は約90万人。そのうち何人が減額になったかについては「よく分からない。調査するのも難しい」としている。

この件について、各地の社会保険事務所の対応が統一されていないのも問題になりそうだ。年金減額を説明された女性は「額が減ると聞いて、『それなら訂正しないで』と言ったら、『記録漏れが分かった以上、元に戻すことはできない』といわれた」と話す。一方、社会保険庁は「本人の了解や納得が得られなければ、無理に記録訂正はできない」として、記録をそのままにすることを否定していない。

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